海洋深層水の可能性-
コンデンスドシーウォーター
ワミレスでは、「ミネラル」をものづくりの原点として、皮膚への有用性を追求し、自然物を利用して独自にミネラル成分の開発にも取り組んできました。今回は、海洋深層水から生まれたオリジナル成分「コンデンスドシーウォーターⅡ」の開発について振り返ります。
海洋深層水に注目が集まる
1980年代頃に海洋深層水を資源として考える研究が日本で本格化しました。その後、深層水の清浄性などから皮膚への有用性が期待される研究が報告されました。ワミレスでも、90年代より深層水の化粧品への応用を検討し、1998年に初の海洋深層水配合化粧品を発売しました。
初の海洋深層水配合化粧品「アクアデヴィタ」ギフトセット
海洋深層水の化粧品原料化を
考えた理由は
最初の製品化では、海洋深層水をそのまま入れていました。しかし、塩分(塩化ナトリウム)が多いとべたつきを感じてしまうため、豊富に配合することができず、深層水のミネラルを十分に生かせているとはいえませんでした。そこで、深層水のミネラルバランスを生かすために、深層水を濃縮した原料を開発しました。それがオリジナルのミネラル成分「コンデンスドシーウォーターI」です。
コンデンスドシーウォーターⅠ配合「ヴィフィーセライン(2002)」
コンデンスドシーウォーターⅡ
への進化のポイントは
皮膚生理の解明が進み、肌表面の角層のバリア機能の成熟に、カルシウム(Ca)イオンやマグネシウム(Mg)イオンが深く関与していることが明らかになりました。そこで、ワミレスはミネラルバランスの調整に取り組みました。様々な方法を検討した結果、特殊な膜を通し、低温で濃縮する方法を確立。従来よりも角層の成熟に欠かせないCaやMgを強化した「コンデンスドシーウォーターⅡ(CSWⅡ)」に進化しました。(特許第5500757号)
コンデンスドシーウォーターⅡ
(CSWⅡ)の有用性とは
カルシウム(Ca)単体とCSWⅡに関して、それぞれのCa濃度を共通にして角層の成熟効果を検証したところ、Ca単体に比べてCSWⅡの方が角層の成熟効果が高い結果が得られました。これは、Ca以外のミネラルも有用な働きをしていることを示しています。CSWⅡの研究成果は日本薬学会(2013年)で発表したのですが、単体のミネラルと自然物との効果の違いに驚かれていました。他にもCSWⅡではNMFの素を産み出す効果や、皮膚細胞の賦活、コラーゲンやヒアルロン酸の産生促進などの効果を確認しています。
原料の製造で大変なところは
ありますか?
まず自社で保有する船で行う深層水の取水です。鹿児島の奄美諸島南端の与論島の拠点から、片道約2時間かけて沖に移動し、約4トンの深層水を汲み上げるという一日がかりの作業を年間30回ほど行っています。 そして、重要なのが深層水の濃縮となります。まず特殊な膜に通し、その後、エバポレーターと呼ばれる機械で低温濃縮を行います。作業中は繰り返しイオン分析を行い、私たちが理想と考えるミネラルバランスに時間をかけて濃縮していくのです。
エバポレーター
最後に
貴重な自然の恵みを生かしたコンデンスドシーウォーターⅡは、ワミレスの様々な製品に応用されています。しっとりと肌を整える、その効果を実感してほしいと思います。それから、海洋深層水から得られるお塩を「深美塩」という名で商品化しています。塩分以外のミネラルも含み、まろやかな味わいが特長なので、ぜひこちらも試してください。